長い間連れ添ってくれた妻と別れた。 残ったものはわずかな遺品と、数え切れないほどの写真の数々。 だが、それらを見つめる日々はただ辛く、 どうしようもない孤独の毎日だった…。 なぜ、生きているのか分からない、なんのために生きたらいいか分からない。 ただいたずらに、過ぎてゆく日常がイヤだった…。 主人公である騎士レオンは深い悲しみの末、 剣を捨て、地位を捨て、新しい街で1からやりなおす決意をする。 長い修行の日々を経て、彼はアルケミストとしてこの地に降り立った…。 --+++-- 新しい世界、新しい町、だが、すべてを失った者にとって、 欲しいものは冒険よりも安息だった。 僕は新しい家族を迎え入れることにする。 ホムンクルス── 古の錬金術により生み出されたその少女は、 とても穏やかで、人間的で、女性的だった。 ユミィと名付けられたその少女は、レオンにとって瞬く間に魅力的なヒロインとなっていく…。 レオンは、彼女の生みの親、つまり父親として彼女を育てていく一方で、 彼女に別の想いを抱いていく…。 言葉を覚え、感情を覚え、どんどん成長してゆく彼女。 恥じらい、戸惑い。 彼女は成長するにつれて、さまざまな女性らしい魅力を身につけていく。 レオンは、だましだまし彼女との距離を縮め…ついには親子としての一線を超えてしまう。 レオンは、抱いた。彼女の体を、そして心を。 レオンはユミィに夢中になった。 ユミィはレオンに夢中になった。 2人はいつしか親子の絆を超え、恋人になったのだ…。 --+++--- そんな2人にも、いつしか曲がり角に差し掛かる。 レオンと、失くした妻アリアとの再会。 レオンは、待ち望んでいた再会に胸をはずませる。 アリアにどんどんのめりこんでいくレオン。 ユミィは、どんどん自分の立場を失っていく…。 「私なんていなければいいんだ。そうすればレオンは、人間の女性とうまくやっていける…。」 ユミィは、ただひとり家を出て、それきり帰らなかった…。 レオンは、取り返しのつかない現実にショックを受ける。 だが、レオンは諦めなかった。 必死でユミィの後を追った。一緒に行ったことのある街や港、そして森の中、山の中まで…。 そして、必死の捜索の末、ついにレオンはユミィに再会する…。 だが彼女は、すでに生きてゆくモチベーションを失い、いまにもこの世から消えてしまう瀬戸際だった…。 ホムンクルスは主人からの愛を失うと、消えてしまうのだ…。 レオンは今にも消えてしまいそうなユミィを、必死で暖める。 自分も消えてしまうかもしれないという危険を冒して。 「僕は、君を愛するために君を造った。だから消えちゃいけない…。」 レオンの願いが通じたのか、ユミィの体には再び命の灯火が燃え始めた。 レオンは、もう悩まなかった。ユミィを愛している。 たとえ自分が人間の男性としての使命を果たせなくても。 --+++-- 僕はユミィに賢者の石を渡して、より人間の女性に近い形へと進化をさせる。 それが正しいことなのか、間違っていることなのか、わからない。 ただひとつ、確かなことがある。 僕は彼女を愛してる。そしてその気持ちを、僕は裏切ることはできない。 僕たちは対等の男女として寄り添い、生きていくことを誓う。 僕たちは国王に祝福され、結婚式を挙げた…。 |