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LEAF〜麦わら帽子のホムンクルス〜
Story-04:溺愛と欲情

ユミィは、レオンの胸に頭がつくほど成長していた。

住まいは相変わらずプロンテラ外れのボロ家だったが、
2人は賞金稼ぎから足を洗い、ハーブ採取とポーション販売の暮らしに戻っていた。
ユミィはその語りの愛らしさから冒険者たちの心をとらえ、商売はとてもうまくいっている。

ユミィは、相変わらず子供だったが、
家事と、ハーブ狩りの手伝いはカンペキにこなした。
知性も、人間に換算して12歳くらいの知識はあるだろうか。

部屋も、立派になった。
倉庫にしか見えなかったオンボロ屋敷には、かわいい柄のカーペットが敷かれ、
ユミィのためにおもちゃやカラフルな柄の家具を揃えていった。



レオンは、次第に女性らしく成長していくユミィを見て、
ひとりの異性として意識するようになっていった。
一緒にお風呂に入るとき、ふくらんでゆく乳房を見て、思わず下半身が反応してしまう。

レオンとユミィは、寝る前必ずキスをしていた。

することの意味など、ユミィはいちいち教えられていない。
触れれば暖かい、気持ちよいことなんだと、体で覚えた。
ユミィはレオンが大好きだった。
もちろん、異性としてではない。
父親として、頼りになる存在だったからだ。

ユミィは、レオンに教えられたことは、なんでも上手にこなした。
買い物も、家事も、ひとりでこなせる。
2人には、たしかな信頼があった。

だが…。

レオンは頭の中につのる葛藤に、ブレーキがきかなくなってゆく…。
レオンはユミィが寝静まったころ、彼女の寝姿を見て一人でマスターベーションをした。
寝ている彼女に唇を重ねて、時には舌を入れて彼女の唾液の味を味わった。
上半身のパジャマのボタンをはずしてはだけさせ、裸の乳房に直接触れた。
それは…すればするほどエスカレートして、レオンは歯止めを失ってゆく。

ある晩…。
レオンは寝室でいつものようにユミィとベッドの上に座り、こう尋ねた。

「ユミィ…。僕の事好きかい?」

突然ヘンな事を聞いてきたレオンに、ユミィは一瞬驚いたような顔をして笑った。

「どうしたの…? ユミィはレオンのこといつでも大好きだよ。」

そういって彼女はレオンのお腹の上におおいかぶさり、キスをねだった。
率直で素直な返事がいじらしかった。
彼女は、いつも自分が性欲処理に使われていたことを知らない。

レオンは…いつものように、彼女の唇に唇を重ね…そして…。

「??」

レオンは起きている彼女の唇に舌を入れて、その感触を味わった。
ユミィはもちろんいままで軽いキスしかした覚えがない。
わけもわからぬまま彼女はレオンのすることを受け入れた。

レオンの右手がユミィのパジャマのボタンを外し、はだけさせた。
肉付きのよい上半身と、小さな乳房があらわになった。
レオンはそっと彼女の胸に唇を寄せ、彼女の乳首をやさしく舐めた。

「…、……はぁ…。ぁ…」

ユミィの口からこれまで聞いたことのない、色っぽい声がこぼれた。
ユミィはレオンの腕の内側で小さくふるえながら、レオンのすることを感じ続けた。

「…きもちいい…。」

ユミィの口から素直な返事がかえってきた。
それが、セックスの一端であるなどということを、まるで知らずに。

レオンは、急に後ろめたくなったのか、ユミィにパジャマを再び着せ、
そっと抱き寄せて、ユミィの頭を撫でた。
灯りを消して、毛布をかぶせ、最後にもう一度キスをした。

「ごめん…。」

レオンがなぜあやまったのか、ユミィには分からなかった。
疑問はそのままに、ひとまずその夜は静かに眠った。



窓ガラスにつめたい風がぶつかり、キシキシを音を立てる。

レオンは日に日に、ユミィを好きになっていった。
ユミィが生まれるまでの間…飼育ポットを毎日眺めていたころの思い出などとうに忘れて。
すこし歳の離れた恋人と一緒に暮らしている…そんな気分だった。

ユミィが料理を覚えると、レオンは喜んで食べた。
誰もが作れるような野菜スープ、調味料と一緒に焼いただけの肉。どれもありがたかった。

団らん。

バカみたいに隣に座って、手をつないだ。
ユミィを自分の足と足のあいだに座らせて、一緒に本を読んだ。

ユミィ独特の香り。
伝わる体温。肩に当たる感触。正面を見据える紅い瞳。

知的で透き通ったユミィの声が、レオンの数センチ先で話しかける。
それがはじめて聞いたユミィのアエギ声にリンクして、レオンの頭にループした。

思わず抱き寄せる右手に力が入る。
はやく…この天使を…ひとりじめしたい。
毎日精が尽きるまで抱きたい。



…カチリ。

読書を終えてライトを消し、ベッドに入る…。
ユミィは分かっていたかのようにボフリとベットに飛び込み、レオンに身を寄せる。
太モモからおしりにかけての感触がレオンに伝わり、性欲をかきたてる。

長いキス。

唾液がユミィの唇からこぼれてしたたり落ち、シーツを濡らす。
レオンは少しずつ…ユミィをセクシャルなパートナーに仕立て上げてゆく…。
軽いスキンシップから、本格的な性行為へ。

「脱いで…。」

優しいレオンの声が、静かな部屋に響く。
ユミィはふわりと髪をかきあげ、パジャマのボタンを外す。
そして、ごろりと横になり、レオンの行為を待つ。

ペチュ…。

レオンの舌と唾液がユミィの体を濡らして、いやらしい音を立てる…。
ユミィはレオンの行動に合わせて、小さな身をよじらせる。

ユミィは、もう大人として必要な、性感帯が開発されつつある。

乳首、首筋、内モモ…さわってあげると「きもちいい」という。
足と足の間に指を差し入れると、じわりとした粘液が、レオンの指を濡らす。
おしっこが半分混じったような女性独自のニオイが、レオンの嗅覚を刺激する。

「………ぁあ……。」

さわってあげるとますますユミィの息が荒くなる。
ユミィの横に座って乳房や首筋を愛撫し、時にキスをして、
一番敏感な部分をやさしく責める。

ユミィはレオンの肩につかまりながら、自分の気持ちいい所をレオンのユビに当てる。

単調な作業。だが…小刻みに振るえる体と、
変化してゆくユミィの吐息が美しい。

「……ッ!…!」

ユミィの体がビクっと波うち、すこしの間痙攣して、がくりと力が抜ける。
ユミィはイクとき下唇を噛むクセがある。
だから、イク直前になると下あごが小刻みにぱくぱくと動くので分かるのだ。
そして、イッた後は必ずレオンにお礼のキスをする。

深呼吸をするユミィの吐息が、部屋にひびく。

「……気持ちよかった?」

ユミィはすこし恥ずかしそうな顔をして、レオンにうなずく。
レオンはほっとして、ユミィの頭を撫でて、ベッドに寝かせた。
脱力して開脚したユミィの陰部に思わず目がいく。

実は、レオンは、まだユミィと1つになってはいない。

ユミィの性器は、濡れはするものの、まだレオンの男性自身を受け入れるほどの広さがなかった。
何度かためしてはみたが、ユミィはとても痛みに耐えられない。
一度、レオンががまんできなくて、しつこく入れてみようと試みたが、
ユミィが悲鳴のような声をあげてベッドから逃げ出したので、2度はやらなかった。

レオンは、ユミィがいなくなってしまう事がこわかった。
だから、性行為もユミィが許す範囲のことしかしなかった。

ユミィは、だんだんレオンのしていることの意味が分かってきた。
言葉でも、活字でもなく、毎日こうした触れ合いを持つことで、
ユミィはレオンの心をそれとなく知った。
だが、ユミィはレオンを拒みはしなかった。
ユミィもまた、レオンの愛情を失うことがこわかったのだ。

「ユミィ…顔をこっちに向けて。」

レオンは自分の性器を刺激して、ユミィの顔に近づけた。
当然、レオンも射精しないと眠れない。

ユミィには、まだレオンを射精にみちびくほどの技術はない。
結局、自分の手で刺激するのが一番早かった。

ユミィは自分と違ったモノのついているレオンの体を、いつも興味深深に眺めた。
といっても、ユミィが知っているのは、実質自分と、レオンの体だけだ。

「お口をあけて…。」

射精が近くなってくると、レオンはユミィにこう言って合図した。
ユミィは言われるままにレオンの亀頭のすぐ近くでぱくりと口を開ける。
レオンの下半身がビクンと波打つと、
白い液体がビュッビュッとほぼばしり、ユミィの口腔内を卑猥に汚した…。

「…。」

ユミィは一瞬口の中のものに意識を集中し、一気に飲み込む。
飲ませる精液の味にもだいぶ慣れた。
最初は、味に慣れなくてうまく飲めず、何度かティッシュに出させていたが…。

満足。

レオンは自分自身の味がする、ユミィの唇にキスをして、飛び散った部分をティッシュで拭う。
終わった後は、ハダカのまま毛布にくるまり、あとは眠るだけ。
お互いの体温で暖かい布団の中、たまに部屋を通り抜ける冷たい風。

パタパタとカーテンが揺れて、部屋の中の明るさを変えた。


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