とにかく、少年少女の視点から描く。 本作を描くにあたって最も気をつけた所です。 当の作者はいいオッサン。 オッサンの視点から少年少女の恋を面白半分に描いたら、 それこそ単なるロリショタポルノになり下がっていたかもしれません。 まだ異性というものがよく分からないからこそ、 たくさん悩んで、たくさん傷ついて、 そしてうまくいった時には心の底から幸せになれる。 若い恋ってそういうものだと思います。 キャラクターについては結構な量の脚色がなされています。 たとえばユウは原作ではお姉さんっ子ですが、 本作ではなるべく姉ちゃんに頼らないように、 自立心の高い男の子に描かれています。 その上優柔不断で自分の意見を通せない。 こうした方が初恋に苦労ができてストーリーになるんじゃないかと。 アロエに至っては、おそらく別人と思われた方も多いのではないでしょうか。 無闇に明るいだけの子ではストーリーを作れませんから、 明るいのは一人ぼっちの裏返しという設定を加え、 更に、独占欲の強さや嫉妬深いところ、頑固なところ、 人間的な欠点を加えた普通の女の子として描かれています。 ついでに言うと、アロエちゃんの方がいくらかオマセですね。 好きになった。だから付き合いましょう、ではなく、 好きになった、じゃあどうしよう? っていう、この時期にしか味わえない苦悩を描きたかったんです。 でも、これはまだ、2人の序章。 これから先、より多くの人生経験が2人を待っています。 楽しいこと、つらいこと、それらを共に乗り越えてゆく過程で、 2人はまた愛の価値を知ることになると思います。 星明りに幸福を。 ご愛読ありがとうございました。 次回作を描く機会があったらまたがんばります。 2010.10.15 アキラチオ |
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